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節水トイレが詰まりやすいって本当? 適切な使い方で詰まりを予防しよう

エコが売りの節水トイレですが、最近は新築の標準設備になっています。一方で「節水トイレは詰まりやすい」という噂がささやかれています。果たして、本当に節水トイレは詰まりやすいのでしょうか。節水トイレの仕組みと予防、修理の方法を解説いたします。

 

 

 

節水トイレは詰まりやすい?

「節水トイレは水を流す量が少ないから詰まりやすい」といわれますが、本当にそうなのでしょうか? 結論からいうと、普通のトイレと同様に、適切に使えば詰まることはありません。

 

節水トイレはサイフォンの原理を利用しています。サイフォンの原理とは、水などの液体に満たされたチューブや管を通って、液体が低いところから高いところにも流れる現象です。トイレの底にはたまり水があり、汚れや臭いを防止する役目を果たしています。トイレの内部を見ると、水をためるトラップがあり、トラップと排水路の間には堰(壁)が設けられています。

 

普通に考えると、便やトイレットペーパーは重いため、底に沈んで堰を超えられないはずですが、タンクの水が流れるとたまり水が溢れ、サイフォンの原理で堰を超えて排水路へ流れ出します。サイフォンの原理では低いところから高いところにも液体が移動します。これに伴い、水中に漂っている便も堰を超えて排水路へと流れるという仕組みです。

 

節水トイレはサイフォンの原理で働く吸引力を利用するため、従来のトイレの1/2~1/4ほどの水量で便を流します。しかし、普通のトイレと同じで、全く詰まらないとは言い切れません。異物を流したり、誤った理解で使ったりするなど、節水トイレを詰まらせてしまうことは十分にあり得ます。

 

節水トイレが詰まったときに考えられる3つの原因

節水トイレが詰まる原因は、普通のトイレにも共通するものです。主に次のような原因が考えられます。

 

・大、小レバーを使い分けていない

・異物を流した

・一度に大量のトイレットペーパーを流した

 

大便も小便も小のレバーで流していると、洗浄のための水量が不足して詰まることがあります。

また、おむつやティッシュペーパー、生理用品、掃除シート、尿石、嘔吐物など、本来流すべきでない異物を流すと水に溶けず、詰まってしまうことがあります。そのほか、トイレットペーパーや便を大量に流したことで詰まる場合もあります。

 

節水トイレにリフォームした場合、床下配管が詰まりの原因かも?

その他、構造的な問題によって詰まりが起こることもあり得ます。節約を目的にして節水トイレにリフォームする方もいらっしゃることでしょう。このとき、新しいトイレに合わせて無理やり床下の排水管の構造を変える業者がいます。排水管の構造を変えることで、水流や水圧が弱くなって配管内で詰まる可能性があるので、工事するときには十分な確認が必要です。

 

床下の配管が詰まりの原因になると、自力での修理が困難になり、専門業者に依頼しなければなりません。節水トイレでせっかく節約しても、修理費がかかってしまったら意味がありません。リフォームするときには慎重に業者を選びましょう。

 

節水トイレの詰まりを解消する方法

節水トイレの詰まりを自力で解決する方法を紹介します。これらの方法は普通のトイレでも使える修理方法です。ただし、堰を超えて排水路のほうで詰まっている場合、自力で修理するのは難しく、業者に依頼する必要があります。

 

-ラバーカップを使う

1つ目の方法はラバーカップで異物を吸い出す方法です。「すっぽん」などの名前で親しまれている、柄にゴム状のカップが付いた道具です。便器に密着させて操作することで、詰まった異物を吸い出します。ラバーカップを使うときには、ゴムの部分が水位に浸るぐらいまで汚水をくみ出します。ラバーカップを便器に密着させたら、ゆっくりと押し込み、強く引きます。強く押し込むと、異物がさらに奥に入り込んでしまい、自力では取れなくなってしまいます。ラバーカップを使うと水が飛び散る可能性があるので、トイレの床や壁を新聞紙や雑巾、ビニールシートなどで周囲を覆ってください。

 

-お湯を流す

2つ目の方法はお湯を流して詰まりを溶かす方法です。ただし、熱湯は便器が割れてしまうのでNGです。お風呂のお湯より少し熱いくらいの45~50℃くらいが適温です。汚水が便器いっぱいにたまっていると効果が薄れるため、まずは排水口が見えるまで汚水をバケツへくみ出します。その後、バケツややかんにお湯を入れ、少しずつ注ぎます。

 

これで溶けないのであれば、お湯で流す前に重曹とお酢を入れて溶かす方法も効果的です。重曹とお酢を入れると泡立つため、30分~1時間ほど放置します。その後にお湯を少しずつ注いで流します。

 

これらの方法は詰まりが排水口に近く、取り出しやすいときのみ有効です。それ以外の場合に無理をすると、便器や設備が壊れてしまいます。自力では難しいと感じたら、業者に依頼しましょう。

 

まとめ

節水トイレも普通のトイレと同様に、使い方を間違えなければ簡単には詰まりません。しかし、ラバーカップが吸い出せないほど異物が奥に入り込んでしまったり、構造上の問題で詰まってしまったり場合は自力での解決は難しいでしょう。